彫刻家・画家・詩人として知られる、20世紀史上最も独創的な芸術家の1人、Hans Arp（ハンス・アルプ / 1886-1966）。当時ドイツ領だった（現在はフランス）アルザス地方・ストラスブールに生まれ、第一次世界大戦の影響でスイスに逃れると、「ダダ宣言」を発表したTristan Tzara（トリスタン・ツァラ / 1896-1963）とともに、ダダイズムの中心人物として活動します。
1943年には、同じく優れた芸術家であった妻・Sophie Taeuber-Arp（ゾフィー・トイバー・アルプ / 1889-1943）の急死という不幸に永らく絶望するも、活動再開を果たすと「具体美術（アールコンクレ）」という概念に基づき、シンプルで柔らかい曲線を用いながら有機的な生命を感じる「具体彫刻（コンクレシオン）」と呼ばれる、彫刻やコラージュなどの平面など、代表作となる作品を精力的に生み出しました。
この本は、2009年にSteidl から発行された、1950-1960年代の人形シリーズ「Poupées」（フランス語で人形の意）の作品集。切り絵、ブロンズ彫刻、ドローイングや水彩など、さまざまな手法で作られた人形はどれも、簡潔な流線で構成されたモダンな形でありながら、なんだかユーモラスであたたかく、楽しい雰囲気を醸し出しています。そんなアルプらしい「Poupées」を、じっくり堪能できるユニークな1冊です。
ちなみに、フランス国籍を取得していたアルプは、1940年以降自ら「ジャン･アルプ」と名乗っていました。そのため、ドイツ語圏では「Hans Arp（ハンス･アルプ）」、フランス語圏では「Jean Arp（ジャン･アルプ）」と呼ばれています。

Hardcover: 104P
Language: German
Size: W205 × H255 × D18mm
Publisher: Steidl, 2009
ISBN: 9783865215536
Item Number: 0057

Condition : ★★★★☆